用語解説

孔食/pitting corrosion

2012/12/12

さびない鉄には孔があく事が有ります。
鉄とステンレスの錆び方は全く異なっています。
鉄の錆びは全面に発生し、木の皮が剥がれるようにポロポロと落ちてゆきます。それに対してステンレスは一部分のみ腐食が進行します。孔食が代表的なものの一つです。不動態化した表面の一部の被膜が破れるとその部分だけドンドン腐食されます。
孔食が発生しやすい場所は、曲げ加工をした部分や打撃を加え応力の残った部分や熱影響を受けた部分、大きな荷重のかかった近傍などです。
特に海水近くで使われるステンレス(SUS304やSUS316)は要注意です。

高周波抵抗溶接

高周波抵抗溶接とは、溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、抵抗溶接の溶接方法に定義される用語の一つです。
高周波抵抗溶接は、抵抗溶接(溶接継手部に大電流を流し、ここに発生する抵抗熱によって加熱し、圧力を加えて行う溶接)の一種で、溶接継手に加圧力を与えながら高周波電流による抵抗熱で接合を行う抵抗溶接のことです。
高周波抵抗溶接には、母材の溶接継手に供給する高周波電流の供給の仕方により、以下の参考図のように、接触子を用いて直接接合端縁に供給する高周波接触抵抗溶接と、コイルを用いて誘導によって供給する高周波誘導抵抗溶接とがありますが、電縫管の溶接によく用いられる抵抗溶接です。

硬質アルマイト

硬質アルマイトは、厚く、硬い皮膜です。
日本工業規格JIS H 8603 「アルミニウム及びアルミニウム合金の工業用硬質陽極酸化皮膜」では、「低温の電解浴又は各種の有機酸を添加した特殊な電解浴を用いて処理されたアルミニウム材の陽極酸化皮膜。通常の方法で処理された皮膜に比べて硬く、かつ、耐磨耗性に優れることを特徴とする。」と定義しています。

光輝焼鈍(BA)/bright annealing

2012/12/11

光輝焼鈍(こうきしょうどん、英語:bright annealing)は、無酸化性雰囲気にて焼鈍(やきなまし)を行う熱処理方法。金属表面が酸化されないため、焼鈍前と同等の表面を保つことができる。
大気中のような酸化性雰囲気にて行われる焼鈍においては、金属表面に酸化スケールが生成するため、この後の酸洗工程にて、酸化スケールを除去する方法が取られている(大気焼鈍:annealing and pickling)。このため表面がダル肌となり白色を帯びる。これに対して光輝焼鈍では無酸化性雰囲気中にて処理するため、酸化スケールの生成が無く、焼鈍前と同じ金属表面を得る事ができ、酸洗工程が不要となる。一般的に装飾用など、鏡のような表面光沢を必要とする場合に光輝焼鈍が用いられ、研磨工程の省略または負荷の軽減が図れる。

コイルカット品

2012/12/7

ステンレス鋼の定尺板を『一級シート』又は、『メーカー定尺』といいます。
鉄板を薄く延ばして巻いた、巨大なトイレットペーパーの様な形をしていて、これを『コイル』と呼びます。
流通コイルセンターのコイルカット品と区別する意味でCC板(コイルカット)とよばれてる。
薄板定尺品を総称してCC(シーシー)と呼ばれる事があります。

小坂定尺

銅、真鍮は巾365㍉x長さ1200㍉が主で、りん青銅、洋白は巾180㍉x長さ1200㍉、アルミは巾400㍉x長さ1200㍉の板の事を、小坂と呼んでます。
尚ステンレスには、小坂定尺はありません。

結晶粒/grain・結晶粒度/grain sizu

多結晶を構成する個々の単結晶。また、結晶粒どうしの境界を粒界という.
不純物が、集まりやすく『粒界腐食』など腐食されやすい場所です。又この結晶粒の大きさを『結晶粒度』といいます。
一般に、金属の結晶粒の大きさは0.01㍉~0.1㍉位です。

ケーク/cake

2012/12/5

『スラブ』とも言います。
板・条製造用の厚い板状になった鋳魂のことをいい、主に円柱形の鋳魂(=ビレット)と区別されてる。

クリア

耐候性を増す目的でアルマイトの上に施される透明な塗装のこと。

クラッド材/clad plate(複合金属材料)

強さを増したり耐食性を向上させたりする為に、ある金属に他の金属を加圧接着や圧延によって合わせた板にした物で、被覆材の一種です。
厳しい腐食環境に晒される熱交換器用の材料に好適なものとして知られている。異種金属を金属学的に結合させたもので、単一金属や合金では達し得ない
 新たな特性をもつ新素材です。
※単一金属 … 鉄、銅、アルミニウム、銀、金等
※合金   … 単一金属にない新たな特性を求めて、2種類以上の単一金属を溶解合成したもの 例:黄銅、ステンレス
※複合金属 … 単一金属及び合金では不可能な複雑な要求に対応するため、単一金属あるいは合金を被覆接続したもの